2017年10月19日木曜日

ハイブリッド ログガンマ(HLG)

 ビデオ撮影のメインで使用しているDC-GH5ですがファームウエアがVer2になり、アップグレードの目玉はALL-I動画記録モードで4K/FHD動画記録において、4:2:2、10bit ALL-I記録モード、4K HDR動画撮影への対応するため「フォトスタイル」に「ハイブリッドログガンマ(HLG)」などが追加されました、これらの機能を使う使わないは別にして、動画撮影に関しては高価なビデオカメラの存在を蹴とばしてしまうほどのスペックに成り上がってしまい、動画撮影の目的で、DC-GH5を選択したのは間違っていなかった!それより大正解だと思っています。

HDRを理解する
 静止画に関しては最新のスマートフォンやデジカメでは当たり前のようにHDR画像が撮影できますが、このモードの意味を知らないスマホユーザーが多いことも確かです。

HDRとは、ハイダイナミックレンジの略称で、従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)に比べてより広いダイナミックレンジを表現する技術であり、SDR映像では窓から明るい屋外と暗い室内撮影すると室内に露出を合わせると屋外が白飛びし、屋外に露出を合わせる室内が黒つぶれしますが、HDR映像では明るい部分と暗い部分どちらの階調も適正露出で収録し、ラティチュードが広いネガフィルムに近い描写が可能な表現と理解しています。

ハイブリッド ログガンマ(HLG)
 HDRを動画で収録するとなると一筋縄ではいかず、従来はV-Logで収録した眠くて煙たいような映像を、編集時にルックアップテーブルで小細工してHDR映像を制作する手法は映画やネット配信に対応していると理解しています。
ハイブリッド ログガンマ(HLG)は、BBCとNHKによってライブ中継で小細工なしでHDRを実現するために開発された規格で、細かい点については勉強不足です。
HLGはネイティブでHDR収録・送出できる技術であると理解していますが、現時点で18万円台まで価格がこなれてきたHLG収録ができるDC-GH5の存在は筆者のような貧乏クリエーターには実にありがたい存在で、世界中でヒット商品になったのは当然かもしれません。
 実際にDC-GH5でHLGモードで撮影しHDR非対応4Kディスプレイで再生するとV-Logで撮影したような煙たい見え方でHLGの効果のほどは判明できていません。

編集が重たい4K、4:2:2、10bit
 4K/30p 4:2:2、10bit、HLGモードで撮影したクリップをVegas Pro 15のトラックに配置して編集するとコマ送り状態になり、サクサクとした編集をするにはプロキシファイルを作成して編集するしかなさそうです。
以下、我流と独断の内容ですがHDR対応ディスプレイがそんなに普及しているわけでないのでHLGモードで撮影した煙たいような映像を英語版のVegas Pro 15(Build216)でとりあえずクッキリした映像にする手順です。

・GH5ルックアップテーブルを入手
 パナソニックのダウンロードサイトのページの下の「ダウンロード」ボタンをクリックして自己解凍したファイルの中から「VLog_to_V709_forV35_ver100.cube」をマイドキュメントフォルダにコピーしておきます。
Vegas Pro 15の機能で優れていると思うのは、音声に関しては個別のトラックにエフェクトが出来るNLEソフトは存在しますが、映像トラックにエフェクトが使用できるのはVegas Proシリーズで1タイム1プロジェクトでシーケンスの概念がないNLEソフトであればトラックに一括してエフェクトできるのは必要不可欠な機能ではないかと考えます。

・映像トラックにLUTを適用する
 Vegas Pro 15はマルチシーケンスの概念がないので影像トラックはエフェクト、親子レイヤー、3Dソースアルファ、トラックモーション等の他のNLEソフトにない充実した機能があります。
 映像トラックで全てのクリップにエフェクトが使用するには「トラックエフェクト」アイコンをクリックし、今回は「VEGAS」「カラー」「VEGAS LUTフィルタ」を選択します。

「VEGAS LUT Filter」の「Browse...」で解凍し保存した「VLog_to_V709_forV35_ver100.cube」を開きます。

 スプリットスクリーンアイコンでエフェクトの効果を確認すると眠たい色が、コントラストがある鮮やかな色に右半分が変化しています。
実際には「セカンドカラーコレクション」などのエフェクトを併用して厳密に目的の色調に追い込む必要がありますが、ここでは省略します。

カラーコレクトに耐える4:2:2、10bit
 GH4のV-Log Lで4:2:0 8bitで収録した映像はカラーコレクションの段階で色が破綻したり、濃淡の縞「バンディング」の発生で苦労したもので、4:2:2 10bitの映像をOFX版のMagic Bullet4でいろいろ試してみましたが8bitで破綻していたものが耐えているので色情報の違いを改めて感じました。

 今回はカラーコレクトに関しての、ほんのお触りの内容で、まだまだカラーグレーディングを極めたら奥深いものがあると感じています。
 映像の表現手法に正解はなく、映画、ドラマはストーリーの内容などにマッチするべく、CMも同様にコンセプトに合致すべく計算ずくめでカラーグレーディングがなされているはずですが、たまにクライアントの意向が入り「何か違う?」感じるものもあり、何よりもやり過ぎは違和感を感じ個人的にはブライダル、発表会、イベント、祭りなど雰囲気に合わせてカラーをさりげなくいじっており4:2:2 10bitの収録はカラーグレーディングを前提とした場合は強い味方になりそうです。

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